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SxP DAY vol.254「生の不安も病もなければ、私はまるで舵のない船だった」

前に買った、一つのポストカード。

たしかモネの絵を見に行った時だったかな。。
雪国生まれなのもあってか、つい惹かれてしまう
冬景色が描かれている絵。

その中でも、なぜだか気になる!ってのが二つほどあって
最後にポストカードを買って帰った、その一つが、
この エドヴァルド・ムンクの《冬の夜》だった。



《叫び》という作品で広く知られる
ノルウェーを代表する画家エドヴァルド・ムンク。

ムンクの故郷にある、オスロ市立ムンク美術館が誇る
世界最大のコレクションに加えて、油彩画や版画を加えた
100点で構成される大回顧展『ムンク展ー共鳴する魂の叫び』@東京都美術館に
ようやく行ってきた。

結果、ムンクを知った気になっていた自分に後悔するくらい、
贅沢な時間だった。

入ってまず驚くのは、自画像が多いこと。
「自己を捉える手段」なのか自撮りをして、それを絵にしていったとか。

ムンクといえば、前にポストカードを買ったって話した
《冬の夜》もそうだけど、
何か言葉にはできない孤独感というのか、
「光」と「影」で表すなら「影」のイメージの方が強い印象があって。

絵を見ていくと、よりそれが鮮明になっていく上に
彼の根幹にある「生」と「死」、人間の「嫉妬」「不安」
きっと生涯の中で戦っていた「哀しみ」と「孤独」が
作品の軸になっているんだなぁ、と
良い意味で、薄気味悪ささえ感じるほど
生々しい作品ばかり。


“生の不安も病もなければ、私はまるで舵のない船だったろう。”

というムンクの名言を思い出しながら
なぜだか「光と影」という曲を書いた時の心情をふと思い出す。
あれは先週のSxP DAYで書いた
NY一人旅の時、ホテルにこもって
悶々とした気持ちを吐き出すように書いた思い出の曲。

自分たちの、運命、一つ一つの苦しみも
自分の人生を航海するための舵になっているとしたら、
これから、自分はどんなものを描いていけるだろう!!

この回顧展は、壁に書かれている名言も見どころ。最後は缶バッチを買った。



そして、一度でいいから彼の故郷オスロに、、
ムンク美術館に、足を運んでみたい。。