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SxP DAY vol.447「マティアス&マキシム」

寝ている息子を横に
『マティアス&マキシム』という作品を
真っ暗闇の中、観た。



幼なじみのマティアスとマキシムは、
友人の短編映画でキスシーンを演じる。
このことをきっかけに、
ふたりは心の奥に秘めていた想いに気づき始める。
しかし婚約者がいるマティアスは自身の感情に戸惑い、一方のマキシムはいまの友情関係が壊れてしまうことを恐れ、想いを表せずにいた。
そんななか、マキシムがオーストラリアへ旅立つことになり、ふたりは互いの気持ちを確かめようとする。

というストーリーなのだけれども、
“マティアス”は弁護士。
美人の婚約者もいるうえ、
出世街道まっしぐら。

一方、グザヴィエ監督本人が演じる“マキシム”は
毒親に悩まされ、
やりきれない気持ちを抱えながら生きている感がすごい。
それでいて友人の母親たちからは“可哀想な子”なんて言葉で片付けられてしまう。

てっきりマティアスにのめり込んでいく
マキシムを描いていくのかと思いきや、
マティアスが動揺しまくっているではないか。

窓越しに彼を目で追ってしまう。
つい相手にイヤな態度を取ってしまう?(好きな子にはいじわるしちゃう説)

否定すれば否定する程、
揺れ動く気持ちに気づいて身動きがうまくとれない。なんて歯痒い。
なんて不器用なふたり。



『君の名前で僕を呼んで』を映画館で観た時、
エンドロールでボロボロと涙が出てきてしまった事を
ふと思い出していたら
彼はこの作品から(他にも数作)感銘を受けて今作を描いたらしい。

『わたしはロランス』
『Mommy/マミー』
『マイ・マザー』etc...
グザヴィエ作品の隠れファンのわたし。

中でも『マイ・マザー』という作品は、
母親役のアンヌ・ドラヴァルと、
これでもかというほど分かり合いたいのに
分かり合えない親子のギクシャクを
生々しく魅せてくれる。
彼の作品の好きな要素の一つ。

今回も強烈だった。。。!🤤

そしてまるで即興を見せられてるかのような
セリフの掛け合い。音楽の使い方。
感情の揺らぎをドラマチックに再現したりと
グザヴィエ節を感じ、
後からじわじわと心を掴まれるのでした。

ちなみに物語をかたち作る友人たちは
彼のリアルの友達(役者)らしい。
観終わった後にこの写真見て胸アツ。。。