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SxP DAY vol.289「6階、ひやり夏」

ひっくり返ったセミが、
地面に転がっているのを目にする度
思い出す、秋田から上京して初めての夏。

初めての一人暮らしは6階に住んでいたので、
(この話、知っている人も多いよね)
きっと無いだろうと思っていたんですが、
玄関の前でお腹を出し、
ひっくり返っているセミがいるという
一番恐れていたシュチュエーションに遭遇。

一度冷静になろうと10秒ほど眺め、
動く様子もないので、
今のうちに入ろうと、
恐る恐る鍵を開けようとしたところ
ビビビー!と体を起こし、
円を描くように飛び始めた。

生まれて初めて腰を抜かしたわたしは、
無我夢中で
エレベーター…ではなく、なぜか階段で(笑)
1階まで猛ダッシュで降り、
ちょうどお店を閉めようとしていた
隣のとんかつ屋のおいちゃんに
「助けてください:_:」
と声をかけたあの日。

半泣きの私と、おいちゃんという不思議な組み合わせで
エレベーターで6階まで行き、
さっきよりも大きな声で鳴くセミを
「はいはい。」
と優しい声で、ちりとりとホウキを使って確保してくれたおいちゃん。
なのに、私はというと
セミが乗ってくると考えるだけで怖くなって
エレベーターの扉をつい閉じてしまい、
おいちゃんを扉の前で困らせる始末。(笑)

結局、扉を開け(あたり前やろw)
「怖くて、本当に怖くて…すみません。涙」
と泣きべそをかきながら謝る私。
2人 with 1匹で地上へ降り、
おいちゃんがセミを放つのを、横で見届けた
ひやりとする夏の思い出。

久しぶりにあの美味しいトンカツ食べに行ってみよう。